旅行貯金の世界へようこそ
旅行貯金という趣味をご存知ですか?別名「局めぐり」とも呼ばれるこの趣味は、全国各地の郵便局を巡るだけというのが受けているのか、今、旅をする人や街を歩く人々などの間でひそかなブームになっています。また、最近では、楽しみながら行なうことができる面白い貯蓄法として、いろいろなところから注目を集めています。
このように注目度が高まっている一方で旅行貯金のページは、その多くが自らの回った郵便局探訪記であり、旅行貯金を初心者向けに丁寧に解説した専門のページと言うのは今までありませんでした。
ここでは旅行貯金とは何かから始まり、旅行貯金のはじめ方、知っているとほかの人を差をつけられるかもしれない専門用語集などを取り揃えております。ぜひ、ブックマークへ入れてたびたびお越しいただければ幸いです。
旅行貯金とはなにか
旅行貯金というのは、郵便局を対象とした趣味の一つで、ゆうちょ銀行窓口で出入金をする際に、空欄となる場所へその郵便局会社の各窓口やゆうちょ銀行各支店のはんこを押してもらうというものです。別名「局めぐり」ともいい、各寺社を廻って御朱印をいただく行為に似ているといわれています。
郵便局は全国各地に点在していますから、たいていの土地にあります。旅をしている人の間ではかなり前から有名な趣味で、最近では旅行貯金そのものを趣味としている方も増えました。ゆうちょ銀行の支店や郵便局会社の郵便局は2009年12月末時点で全国に約24,000局。郵便局の数が多いということは、すべてをまわるということが不可能ということであり、休廃止や新設・改称・移転などもかなり頻繁に行われていることから、ほぼ無限に楽しめる趣味といえます。
旅行貯金は、バスガイド、ライダー、旅行者など移動を繰り返す人々の間で、その移動の足跡を記録し、記念としてはじめられました。通常何かのコレクションをするのはお金を払いつづけなければならないわけですが、旅行貯金はお金を預けなければ集まりません。そのため、たいしてお金のかからない(使わなければ逆にたまっていく)、合理的な趣味であるといえます。最近ではこうした視点から楽しみながら出来るより良い貯蓄方法として紹介されることも多く、実際、貯蓄を主目的とした人も増えつつあります。
旅行貯金で預ける金額は様々であり、100円ずつ預ける人や訪問した局数-訪局数に応じて1円ずつ増やしていく方法などがポピュラーです。100円ずつ入金している人に多いのが、全く引き出さずにそのまま貯蓄している人です。そうした人は、100局などの節目にたまったお金を定額貯金にする人もいます。
郵便局だけではなく、りそな銀行や大垣共立銀行など、一部の金融機関でもATMでの出入金の際に支店や出張所の名前が印字されます。旅行貯金をする人の中にはこれらの金融機関に口座を開設し、「旅行預金」をしている人もいます。逆に郵便局ではなく、これらの金融機関のほうをメインにしている人もいるようですが、これらの金融機関は1,000円単位が一般的なため、まだそれほど普及していません。ただ、今後メジャーになっていくと考えられています。
旅行貯金のはじめ方
旅行貯金をはじめるのは簡単です。
まず、郵便局あるいはゆうちょ銀行支店へ行って、10円以上のお金で新しい口座を作ります。口座を作るための用紙はたいてい記帳台のうえにおいてありますが、ないときには窓口の人へ「口座を作りたいんですけど」といえばもらえます。開設申込書をもらうときは整理札方式のところでも札を取らずに直接声をかけてもかまいませんが、記入した申請書を窓口に提出するときはきちんと整理札の番号が呼ばれるまで待ちましょう。
用紙へ必要事項を記入したら、用紙を窓口へ出す際に「郵便局のはんこを捺してもらえますか」といってください。
すでに郵便局の通帳をお持ちの方は、その通帳でも旅行貯金をすることが出来ます。同じように「郵便局のはんこを捺してもらえますか」といってください。
ちなみに、マネーロンダリングや税金などの問題から一つ2冊以上の通帳を所持しようとすると断られます。
一度通帳にはんこを捺してもらえれば、あとは何もいわなくても窓口で貯金の出し入れをするだけで自動的にはんこが集まっていきます。
旅行貯金の参考文献
世の中は広いもので、旅行貯金を専門に扱った本も出ています。紀行文として、実際の旅行貯金の仕方や流れがプロの手によって書かれていますので、疑似体験する上でもぴったりです。また、歴史などもまとめられているので、豆知識としても活用できます。
また、郵便局の一覧表は訪局の計画を立てる際に非常に役立つ重要なデータ集です。こちらも揃えられると旅行貯金をより楽しむことが出来るでしょう。
1.日本縦断「郵便貯金」の旅 旅のついでに3334局
種村直樹著 徳間書店刊 1,365円
ISBN4-19-860276-X
元祖旅行貯金の本。
旅行貯金という趣味を一躍世に知らしめた種村氏がみずからの旅行貯金史(ほぼ、旅行貯金がメジャー化するまでの歩みと考えて良い)をかたった作品。
2.気まぐれ郵便貯金の旅 — ただいま3877局
種村直樹著 自由国民社刊 1,680円
ISBN4-426-88500-0
種村氏が送る旅行貯金の本第二弾。
前作が旅行貯金史だったのに対して、こちらは郵政全般との関わりを紹介。切手にまつわるさまざまな事件や話題を載せている。
前作同様巻頭にはルポが載っているが、何と章の最後にオフ局一覧。そして巻末には種村氏の全訪問局リストが掲載されている。
3.全国郵便局名録 2012
鳴美刊 4,600円
ISBN不明
株式会社鳴美がまとめる全国の郵便局リスト。局名や所在地のほか、電話番号、局所コード、風景印の有無、貯金扱い可否など、これ一冊で全国の郵便局のことがすべて網羅できる貴重なデータ集である。
最新版は2004年刊行分となり、CD-ROM版も発売されている。
4.全国の「郵便局めぐり」を楽しむ本 ぱるラーと郵便局長・局員の必携バイブル
プロスパー企画刊 1,575円
ISBN4-931422-49-7
旅行貯金を趣味としている方が全国各地で出会った同好の士とのふれあいや郵便局員とのやりとりを綴った書籍。「郵貯ラリー」や「局名印ラリー」の紹介もしている。
旅行貯金のツール
旅行貯金を楽しむためにあると便利なツールやホームページを紹介します。これらはより楽しむためのものですので必ずしも必要があるとは限りませんが、はまり始めた方は利用を検討されてはいかがでしょうか。
1.郵便局をさがす
日本郵政株式会社提供 ホームページ
フリー利用可能
日本郵政が提供している全国の郵便局検索ページ。非常に便利なツールであるが、簡易郵便局については検索対象外となっている。
2.開局情報(開局・一時閉鎖等)
日本郵便株式会社提供 ホームページ
フリー利用可能
日本郵便がとりまとめている各地の郵便局改廃情報で、従来は官報に掲載されていたが、公社化とともに独自提供となった。その後、民営化によって、郵便局株式会社へ引き継がれ、その後の会社再編に伴い、現在は日本郵便株式会社が提供している。こちらは簡易郵便局も含めた情報が提供されている。新規開設の簡易郵便局がどの事務範囲を扱っているかまで掲載されているので、新規開局に勇んで出かけたものの貯金を扱っていなかったという空振りを防ぐことが出来る。
旅行貯金の専門用語
旅行貯金の専門用語は以下にまとめております。ご活用下さい。